鳥取県の大山は、2018年に開山1300年を迎えました。この大きな節目に合わせてたくさんの人の注目が集まっており、その一つが夏の大山で開催されるお盆の『大山の大献灯〜和傘灯り〜』と呼ばれる大山開山1300年祭の行事です。

大山の大献灯では、日が沈んだ後に大山寺本堂の一帯、また大神山神社奥宮参道周辺を、色鮮やかな和傘300本が並ぶ和傘灯りが飾られます。そして蝋燭3000本、灯籠22基も彩りを添えるのです。幻想的な光の演出により、たくさんの訪れた人たちを出迎えてくれます。約16年前からこのイベントが始まり、年を大事にどんどん成長を遂げたこのイベントは、現在においては、地元の夏の風物詩にもなっています。訪れる人も年々増加傾向にあり、2016年度にはなんと三日間で1万人が集まる大きなイベントとなりました。石畳の山道をゆっくりと散策しながら、和傘やろうそくなどの日本ならではの風物が生み出す光の芸術を楽しむことができるでしょう。
この光り輝く和傘の花は夏のひとときだけ見ることができます。大山 和傘は職人が一つ一つ作り上げたものであり、大神山神社奥宮へと続く山道を飾ります。夏の夜の幻想的な景色を生み出すことができるのです。建物はライトアップされ、それとともに道を彩る大山 和傘の光が、夏の暑さを涼しさに変え、非日常を味わうことができるでしょう。
この大山の大献灯〜和傘灯り〜のイベントは地元の大山夏祭り実行委員会が手がけています。これまで26年の歳月をかけて、現在のような大きな規模にまで成長を遂げたのです。元は日ごろの感謝や願いを灯籠に仕立てた上で、そこに光をともしお盆の夜を飾るイベントとして始まりました。それが少しずつ灯籠だけには収まらなくなり、和傘を取り入れたイベントになりました。時代の変化とともにだんだんと和傘の文化は失われつつあったのですが、地元の職人が地元の明法でもある大山をイメージして、新しいコンセプトで生み出したのがこのイベントで使われている大山の和傘灯りなのです。
今年の2022年度においては10月に開催することが決定。鳥取県内に職人を抱えている地域だからこそ実現する大山の和傘のお祭りです。多くの人たちを日本国内だけではなく海外からも迎えるために、和傘120本、そしてあかりの種類を増やして、演出をよりいっそう立体的に華やかに催します。場所は豊かな自然あふれる国立公園において、日本遺産に認定された歴史ある神社仏閣の中で、この規模の演出を見ることができるチャンスはそれほど多くはありません。